アダムとイヴの誘惑
 サタン(悪魔)は、人間を地上に引き止めておくために、性欲をつくりました。 そして、これによって人間を誘惑してきました。 主は初めに、人間の男と女を意志の力でおつくりになりました。 彼らの体は、神の聖なる英知と愛とが具現化したものです。 そして男も女も、初めは神と同じように意志の力によって子供を作る能力を持っていました。 アダムもイヴも、汚れなき聖なる方法で子孫を殖やす力を授けられていたのです。

 悪の力 サタンは、イヴに園(肉体)の中央にある木の実(性感覚)を食べるよう誘惑しました。 神はアダムとイヴに、園の中にある生命の樹(肉体と感覚に意識と生命エネルギーを与える幽体の脊髄中枢)のどの感覚を味わっても良いが、中央にある性の感覚を味わうことだけは禁じていたのです。 イヴを誘惑した蛇とは、性神経を活発に刺激するコイル状の脊髄エネルギーのことです。 人間のイヴ的意識である感情が性衝動に負けると、アダム的意識である理性もそれに倣ってしまうのです。


 性的快感は神の至福のまがい物です。 性欲が誠実な愛から切り離されて、肉体的感覚を満足させるためにのみ使われるとき、それはサタンの道具となり、人の意識を感覚の中に閉じ込めて、魂としての自覚も、本物の神の至福を経験する能力も失わせてしまいます。 セックスや酒や金から得られる満足は、サタンが人を誘惑するためにつくった神の至福の偽物です。 アダムとイヴは、性感覚の味を知ったとき、天の楽園から転落してしまいました。 すなわち、聖なる至福の中で神との合一を経験することのできる魂の意識を失ったため、エデンの園から追放されたのです。

 それ以来、人間は動物と同じように、性的結合によって子孫を繁殖させるようになりました。 そのため、女性は出産の苦しみを味わい、夫婦は与えられたものを受け取らなければならなくなったのです。 どんなに気に入らない子供が生まれても、育てなければなりません。 もともとは、人間も神と同じように、意志の力で自分の子供をつくり出す能力を持っていたのです。 あの原罪さえ犯さなかったら、どんなに幸せだったことでしょう。 要するにサタンも神の道具なのです。 サタンは偽物の幸福しか提供しません。 それに気づいた人は、信頼できる神の方を求めるようになります。

― パラマハンサ・ヨガナンダ